ピアノの重量は、ヤマハアップライトピアノ(194kg~278kg)、グランドピアノだと300kgを超えるものが多いです。
かなりの重量なので、そのまま置くと床が抜けるのではないかとご心配な方も多いです。
建築法によると、床に置いて大丈夫な重さは、1平米(1m×1m)あたり約180kgまでとのこと。これによると、約250kgあるピアノはダメなことになります。
ですが、30年以上ピアノの納品に立ち会った中で、ピアノを置いたら床が抜けた!なんて経験は一度もありません。一体どうしてでしょう?
そこで滋賀県内のリフォーム会社数社に尋ねてみました。
まず、実際ピアノを置いて床が抜けたという話は、すべての会社が「聞いたことがありません。」と回答くださいました。
「1m×1mのスペースに180kg以内ですと、コタツに家族4人で入っても床が抜けることになってしまいます。
実は食器棚や本棚もピアノと同じくらい重いのですが補強せずに置いておられますよね。ピアノは床が抜けるほど重いというイメージがあるのかもしれません。」
「1m×1mという局所で考えるより、部屋全体でどれくらいの許容があるか考えてください。
目安として6畳なら家具類の総重量が約1,800kgまでなら大丈夫。4畳半でも約1200kgまでなら床が抜けるようなことは無いとのことでした。
ピアノだけなら4台置いても大丈夫な計算になりますね。」
お聞きしたすべての会社で、床の耐久を計測する機械は莫大な経費がかかるため、使っておられませんでした。
実は大工さんが現場に出向き、長年の経験と勘で土台の作りや梁(はり)などの様子を見て判断されるそうです。だとすれば、調査や施工は信用できる会社を選ぶことが大切ですね。
ピアノの下には金属製のキャスターが底の4隅にあります。
洋室なら樹脂製のお皿を(インシュレーターと言います。)、和室なら敷板を敷くのですが、荷重を分散させるため、厚さ1cm以上の合板を下に敷くというのも一つの手です。これが一番安上がりだと教えていただきました。(ホームセンターのベニヤ板で充分だそうです。)
※一般的に、床の強度や部屋の大きさなどは、ピアノの設置前に確認すべき重要な要素です。しかし、これらの要素に関する最終的な判断や実施はお客様の自己責任でお願いいたします。不安がある場合は、必ず専門家に相談してください。
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