トリイミュージック

アコースティックピアノの鍵盤を、音が出ないほどゆっくり下げると、抵抗感がある箇所があります。
もう少し力を入れると、急に「スコッ!」と抜けた感がありませんか?

これがアコースティックピアノのタッチの特長です。

おおよそ7,8㎜くらいのところでしょうか。
鍵盤を優しく下げると、まるで底に到達したかのように感じるくらいハッキリしています。
そして、そこから力を加えると、

「ストン!」

と、抜けた感があり、そのまま底へ到達します。

この仕組みの秘密は以下の通りです。

鍵盤を押すと、部品が押し合いしながら、最後にハンマーが弦を叩いて音を出すのがピアノの音が鳴る仕組みでしたね。
実は、弦を叩いたハンマーを瞬間離してあげないと、ハンマーが弦を押さえたままになって音を殺してしまうのです。

そこで、ハンマーを下から突き上げる棒に細工をしたのです。
突き上げたら、すかさず横に逃げる。「スコッ!」と抜ける感じです。

この仕組みのおかげで、ハンマーは叩いた減の振動を妨げず、響きのある音を鳴らすことが出来るようになりました。
とても精密で緻密な機構です。

これは、大太鼓を叩く際と同じです。